|Unbalance=二人の好きな人=

 塚本小夜・佳代は双子の姉妹。姿形はまるで、鏡越しに自らを見ているかのよう。けれど抱く心はそれぞれだけの物。あなたのことを思うこの心は、紛れもなく私だけのもの。
 私だけのものだと、思っていたのに。

第01話 二人の好きな人

誰にも言えないでいる。あなたを好きなこと。
だけどもし、この席替えであなたの隣になれるなら。
少しずつ、少しずつ。

欠片で良い。あなたを好きなこと、伝えたい。

第02話 葛藤

何もかもが似ているのに、何もかもが似ていない。
私が欲しいものを、お姉ちゃんは持っている。
それは素直に好きだという気持ちを表現する力。
私が、心の底から欲しいもの。

第03話 苦悩

手紙は良い。何より自分の気持ちに正直になれるから。
言葉に姿を変えた思いが、呼吸を覚える。
出せない手紙。出された手紙。

私はどうして、この場所を望んだの?

第04話 悲恋/前編

私はいつの間に、こんな醜い子になってしまったのだろう。
お姉ちゃんの笑顔は私を卑屈にさせ
お姉ちゃんの苦悩は、私の心を弾ませる。
私は私の知らぬ間に、変わっていく。

第05話 悲恋/後編

例えば私があなたを見つめる時
その視線には意味がある。
ならば、あなたが誰かに目を注ぐ時
私のように、意味があるの?

第06話 一人ぼっちのクリスマス/前編

詩は言葉で描くもの。言葉は思いが紡ぐもの。
もしもそうであるのなら、思いは溢れてしまうもの。
私と言う器から、零れ落ち行く恋ならば。
せめてあなたに溶けて行けば良いのに。

第07話 一人ぼっちのクリスマス/後編

言葉もなく、思うことすらなく。
降り積もる雪は世界を白く染めて行く。
何も知らない世界には、せめて一言、この言葉。

メリー・クリスマス。

何も知らない世界と、何も残らなかった私。